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どんなタネを選ぶ?固定種・在来種を扱う販売サイトまとめ

更新 2021.5.12

  

種や苗を買う時に何を基準に選んでいますか?また、その理由は何ですか?
知っているようで知らない奥の深い種子の選び方について、まとめてみました。
販売サイト一覧は、ページ最後をご覧ください。

出回る種子の90%は「F1品種」

ホームセンターや園芸店で手に入る種子は大きく「F1種」と「固定種」に分類されます。
現在、市場に出回る野菜の90%以上はF1種であり、野菜や花の種子の袋を見ると「一代交配」「交配」という言葉が書かれています。これらは、F1種であることを表します。

袋に「一代交配」と書かれている場合は、他社から仕入れたF1品種。「◯◯交配」と書かれていれば、種苗会社のオリジナルのF1品種です。

F1種は、「F1品種」とも呼ばれますが、品種というわけではありません。

遺伝の法則の基礎である「メンデルの法則」では、AAとaaという異なる品種の親をかけ合わせると、Aaとなり、両親の顕性性質だけが現れるため、見た目や性質が均一になります。こうして作られたF1世代の種子がF1品種と呼ばれているのです。
性質の具体例では、病気への抵抗性が増す、環境適用性が増す、収量が増えるなどがあります。

本来、植物は、様々な環境に適応した子孫を作るために、バラバラな性質の種子を作ろうとします。しかし、生産者は野菜を作る上で、性質がバラつくと都合が悪く、収穫管理を行う上では性質が揃う方が良いです。
例えば、大根の場合、生育状況にもよりますが、基本的にサイズや太さが規格通りに揃うので、箱詰めしやすくなり、一本100円均一などで売りやすくなります。外食産業にとっても規格通りの野菜は、機械調理に適していて作業効率も向上します。

見た目やサイズが均一に揃う青首大根

F1品種は、市場のニーズに合わせたり、農産物のサイズを揃わせる目的では極めて優秀です。しかし、自家採取された種子は、営利栽培では使用することができないので、農家の人は毎年、種子を買わなくてはいけません。

病気に強いプチトマト。品種名の前につく「CF」とは特定の病気に強いことを表す。ちなみにCFは「葉かび病」のこと。
播種期間が長く、生育速度が早く、収穫量が多いなど良い所3拍子ののほうれん草。

伝統的に受け継がれてきた「固定種」

一方で、固定種は、地域で何世代にも渡って育てられ、自家採取を繰り返すことによって、環境に適応するように遺伝的に安定していった品種のことです。

固定種は、F1品種に比べると発芽率や成長速度、収穫時期にバラつきがありますが、文化として作物を伝承することができます。また、固定種は昔ながらの本来の野菜の味を楽しめることが特徴としてあります。
音楽に例えると、クラシックや民謡楽曲のようなものかもしれません。

F1品種でも食味に特化して育種した品種も多くあるため、「美味しい」という基準は人それぞれだと思っています。

昨年、私たちが栽培した信州の伝統野菜「ねずみ大根」。サイズはバラバラでしたが、深い味わいが印象的でした。

2021年現在、年々、固定種を取り扱う生産者も減少し続け、固定種のタネを取り扱う種苗店は、決して多くはありません。固定種を手に入れるには、専門農家の方や地方の直売所で購入するか、 自分自身で種から育てるしか方法がないのです。

また固定種の中でも、各地域の集落や農家が有用な性質の個体を発見し、それを何世代にもわたって選抜し、育種維持してきた品種は「在来種」と呼ばれています。別名は「地方野菜・伝統野菜」。

袋に「◯◯育成」と書かれていれば、それはその種苗株式会社が選抜してきた固定種です。

補足になりますが、固定種や在来種は、性質が全て同一に固定されているわけではありません。
大根や白菜など、アブラナ科など他家受粉する植物が自家受粉し続け、近親交配が進むと「自殖弱勢」といって、遺伝的に弱い性質が出てしまうことがあります。

人間でも古代の皇室や王族は、有力貴族の血を拒絶して近親結婚を繰り返した結果、虚弱な子が連続し、断絶してしまった歴史が残っています。

そのため、現在の固定種も、支障がない程度のバラつき(雑種性)を持たせて、育成されてきました。ちなみにF1品種でも、8-10年種採りを続けて、大部分が同じ性質が固定されたら、固定種になります。

F1種の特徴
・生育が揃うので、一斉収穫に向く
・病気に強い品種が多く、特定の病気を避けられる
・クセがなく、食べやすい味が多い。
・自家採取した種を営利栽培に用いるのが難しい

固定種の特徴
・生育が揃わないことがある。
・野菜本来の味が濃く残っていることが多い。
・自家採取が容易。自分好みの選抜育種が可能。

世界初のF1種は日本のナスだった

では、もう少しF1品種の現状をご説明します。
F1種を作る技術は、大正時代に日本で開発されました。まず、世界で初めて作られたF1品種はナスでした。

元々、F1品種は、異なる品種を確実に交配させるために、「徐雄(じょゆう)」といって、自分の花粉で受粉してしまわないように、人の手で蕾を開いて、ピンセットで雄しべを除去し、他の品種と人工受粉させることで作られてきました。この細やかな技術は、手先が器用な日本人女性の指先があってこそ、可能だったと言われます。

その後、1925年にアメリカで遺伝的に雄しべに花粉ができない「雄性不稔(ゆうせいふねん)」と言う系統が発見されると、世界中でF1品種が作られるようになりました。
現在、市場に流通するニンジンやタマネギ、ネギ、ダイコン等の殆どが「雄性不稔」という性質を持っていることはあまり知られていません。このような状況から、農家の種取りの技術は、年々失われつつあり、海外の大手種苗メーカーの力が強くなりすぎていることが問題視されています。

キャベツの雄性不稔は雄しべがついていない。写真引用『タネが危ない』野口勲

出回る種子の90%以上が海外産

国産の野菜を求める消費者は多いですが、種子の生産地は忘れられがちです。
日本では育種(品種改良)は盛んに行われてる一方で、種子の生産は、ほとんど国内では行われていません。全体の90%以上が海外に委ねられている特異な状況です。

種のパッケージ裏面には、種子の産地が記載されています。殆どがアメリカ・南米・インド・アフリカの海外産。
左が固定種の二十日大根の種。右の青い種は、種子消毒された二十日大根のF1品種の種。

野菜の種子は、40年ほど前に遡ると、100%国産で伝統的な固定種でしたが、昭和50年頃より高齢化と後継者不足で急速に固定種の流通は衰退したといわれます。海外での種子採取が大幅に増えた理由としては、人件費を含むコストが低かったこと、気候の安定した地域を選択できることが大きな要因になっています。

現在は、遺伝子組み換え種子やゲノム編集作物も国際的に普及し始め、野菜の種子が一部の国際的な海外の大手種苗メーカーが囲い込んでいる状況があります。

引用元:N+1 swiss capital AG

そのような状況から食料安保、国内農業の振興という点で懸念の声も多く上がり、韓国では、種苗産業が国家プロジェクトになっていて、種子の国産化が後押しされています。日本国内でも多少コストがかかっても国内採取を推奨する種苗メーカーは少なくありません。

雄性不稔や遺伝子組み替え作物が主流となることで、多様性の欠如による生態系の破綻が有識者の間で危惧する声もあがっています。

交通網が発展していない時代、日本では、全国に地域の種屋さんがありました。写真は、大阪府天王寺区にある(株)赤松種苗
秋田県大仙市にある『キリハラのたねと苗』。令和時代でも種子の量り売りを行っている希有な種苗店です。

どんな種を選ぶ?固定種が購入できるサイト特集

私たちは、伝統的な固定種を家庭菜園で育てることをオススメしています。
固定種の魅力は、育てた作物は個性豊かな形をしており、育てていると毎日発見があるので、単純に楽しいです。また生育期間も長いため、知らぬうちに愛情がこもってしまうことも良い点だと思います。
そして一つの作物から数百から数千粒の種採りが可能で、自家採取を続けることで自分だけの固定種を作ることもできます。種の交換会も行えるのも魅力です。

私たちが知る限りで、固定種の種子を取り扱う販売サイトをまとめてみたので、ご興味のある方はご参考にしてみてください!

野口のタネ
全国で唯一、固定種のタネのみを扱う種苗店。
三代目である野口勲さんは、19歳で虫プロ出版部に入社、『火の鳥』の初代担当編集者となった経歴を持つ。主に日本各地の伝統野菜、固定種の種を扱っており、無肥料栽培や国内採種の種が多い。
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無肥料・無農薬栽培種子「ズッキーニ」

無農薬・無化学肥料 たねの森
2004年に設立の埼玉県にある固定種の専門店。
取り扱う種子の多くは、先祖代々受け継がれてきたエアルーム種と呼ばれる伝統品種です。また、種子は無農薬・無化学肥料で栽培され、採種された種は種子消毒がされていないので安心。
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『たねの森』は、自然なパッケージが可愛い。

公益財団法人 自然農法国際開発研究センター
昭和57年、長野県で設立された自然農法を研究している公益財団法人。人気の種は早めに売り切れることも多いようなので、こまめにチェックが必要。自然農法で農作物を育てる際のポイントなども掲載されているので、自然農法を学びたい人にはオススメ。
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装飾がない素朴なパッケージが逆に良い。

畑懐 はふう
浜名農園が運営する家庭菜園向きの野菜の種、野菜苗、プランターの土を通販している種の専門店。オリジナルのプランターの土(培養土)を製造しているので、家庭菜園初心者にはオススメ。
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グリーンマーケット
株式会社グリーンフィールドプロジェクトが運営する有機種子の専門店。
化学農薬・化学肥料なしの有機種子を輸入・販売している。 珍しい西洋野菜やハーブ、スプラウト等の種子も多数取り揃えている。
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高木農園
長野県松本市の大正5年創業の老舗種苗店。各メーカーの種はもちろん、国内外の固定種や珍しい品種。国内採種のタネが手に入る。在来種なども豊富に取り扱っている。
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ナチュラルハーベスト
日本では手に入りにくいヨーロッパ伝統野菜をイタリア、フランスから輸入し販売している。野菜だけでなく、ハーブや花の種子も扱っているので、ガーデニングにもオススメ。
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藤田種子
明治30年創業、世界の珍しい野菜とハーブの種子の専門店。珍しい種子を探すならここ。
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コンパクトな袋で種子の数も少ないものが多い

赤松種苗
大阪府天王寺にある老舗種苗店。大阪の在来種である「天王寺カブ」「泉州水茄子」などが販売されている。
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泉州水茄子は、浅漬にするととても美味しい!

キリハラのタネ
秋田県大仙市の老舗種苗店。お店のキャッチコピーは「無いタネは無い。無ければ世界中探します。」実店舗では、種子の量り売りも行っている。
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量り売りの様子。

エアルーム・トマト・ファーム
世界の野菜のエアルーム品種(固定種)を幅広く取り扱う。特にマニアックなトマトの品揃えが豊富。
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つる新 種苗店
長野県松本市にある老舗種苗店。1000種類ほどの種子を取り扱う大型の通販サイト。
自然菜園コンサルタントの竹内孝功さんと「つる新種苗」のコラボ商品で無消毒の一年草と多年草の種子がブレンドされた緑肥MIXがおすすめ。
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信州山峡採種場
長野の地方野菜種子、信州の辛味大根種子、自家菜園向きの種子を、1袋100円の極小ロットでも販売している。
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小林種苗株式会社
明治43年創業の兵庫県の種苗会社。約7haの研究農場を所有し、種子の開発を行っている。取り扱う品種数も国内トップクラス。探している種子も必ず見つかるはず。
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松永種苗
明治16年創業の愛知県の種苗会社。プロの農家の方から家庭菜園の方まで、オリジナルのF1品種から固定種まで幅広く紹介し販売。ブランドサイトのデザインが格好いい。
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太田種苗
滋賀県近江八幡市の種苗メーカー。伝統品種から最新品種。珍しい野菜まで2000種以上を品揃えている。1200種以上のハーブ・芝草も。
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市川種苗店
長崎県佐世保市の種苗店。全品種の袋に、店長自ら、作物の魅力、詳しい栽培説明、最適な播種時期などを書き込んだオリジナルパッケージで販売している。
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日光種苗
昭和22年創業、栃木県宇都宮市の総合園芸メーカー。F1品種から国内外の伝統野菜まで幅広く取り扱っている。珍しい品種が得意。
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松尾農園
長崎県で創業68年の老舗種苗店。店主自ら育てた経験を元に、独自のコメントで各品種の特長を紹介。F1品種から国内外の固定種を取り扱う。
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三重興農社のe-種や
野菜や花の種子・苗などを扱う国内最大のショッピングサイト。
大根120種、キャベツ400種など、国内外メーカーから仕入れる膨大な種類の種を販売している。種、苗、資材、肥料、農薬、幅広く手に入る。
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鶴頸種苗流通プロモーション
東京在住の小林宙氏が15歳という若さで創業した種苗会社。全国の種苗店から伝統野菜の種子を取り寄せて販売している。
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アサヒのぐるタネ
創業140年のアサヒ農園の運営する野菜種子の専門通販サイト。
販売サイト

参考文献
『タネが危ない』野口勲
『タネはどうなる!?』山田正彦
『今さら聞けない タネと品種の話 きほんのき』農文協
『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』稲垣栄洋

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